美容室の倒産件数、過去最多ペースに 2025年は記録更新の可能性
東京商工リサーチ(東京都千代田区)は、2025年1~9月の美容室倒産件数が92件(前年同期比5.7%増)となり、調査開始以来最多となったと発表しました。このまま推移すれば、昨年の通年件数114件を上回り、過去最多となる可能性があります。
倒産原因の8割が「販売不振」
倒産の主な原因は「販売不振」で、92件中77件を占めています。次いで「事業上の失敗」と「既往のシワ寄せ」が各4件、「過小資本」「他社倒産の余波」が各3件となりました。美容室は小資本で開業しやすい一方、安定した売上の確保が難しく、十分な運転資金を確保できないケースが多くみられます。
倒産形態の9割超が「破産」
形態別では「破産」が85件(前年同期比11.8%増)と大半を占めています。再建型の民事再生法は7件にとどまり、経営悪化がサービス品質低下や顧客離れにつながり、再建のハードルが非常に高い現状が浮き彫りとなりました。
負債額は5000万円未満が8割超
負債額別では
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1000万~5000万円未満:78件(全体の約85%)
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5000万~1億円未満:6件
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1億円~5億円未満:8件
となっています。美容室の開業は設備投資が比較的小さく、倒産時の債務規模も小さい傾向が確認されました。
小規模・個人事業の倒産が中心
資本金別では「個人企業」が39件で最多。資本金100万円未満を含めると、全体のほとんどが小規模事業者でした。参入のしやすさが競争の激化を招き、淘汰が進んでいる状況です。
美容室は増加傾向、競争はさらに激化
厚生労働省が2024年度末に公表した衛生行政報告例によると、美容室数は27万7752施設となり、1年間で3682施設増加しました。コロナ禍の落ち着きに伴い、競争は以前より厳しくなり、価格競争や集客の難しさが倒産増加の背景にあります。
東京商工リサーチは
「顧客が美容室を選ぶ基準は、美容師・価格・立地・口コミなど多様化しており、ネットクーポンやオンライン活用などの集客戦略が求められる。小資本で独立できるメリットがある一方、競争激化により倒産件数は増加基調にある」
とコメントしています。
